スイスでは2020年1月より既に施行

現状、労働者が会社に通勤する往復時間は労働時間とされませんが、欧州では労働時間に含むとされる流れになりそうです。スイスでは既に施行、イタリアは現状違いますがスイスを踏襲する流れになっていくのではないでしょうか。昨今、日本では「同一労働同一賃金」などヨーロッパの労働環境を踏襲する流れがあり、私は近い将来日本にもこの流れがくるのではないかと危惧しています。

欧州と日本では労働環境が大きく異なる

そもそも欧州と日本の労働環境では以下の決定的な違いがあります。

  • 通勤時間が片道30分程度の欧州、首都圏では1時間以上は普通で新幹線通勤者もいる日本
  • 通勤手当の概念がない欧州と通勤手当があるのが普通な日本
  • 時間外労働が少ない欧州と恒常的に長時間労働な日本
  • 日本では通勤手当として通勤定期代か定期券現物を支給しているのが普通で、遠くから通ってるスタッフの6か月定期券代は30万円を超えるケースも。企業にとっては相応の負担でしょう。ちなみに通勤費を企業が負担するのは日本の法律上も義務ではないのですよ。でも長年の慣習で企業が負担するケースが多いですね。私個人的には通勤費用の負担をもって、企業はスタッフらの通勤負荷の対価を払っていると考えます。また往復通勤時間を労働時間とみなすため実労働時間(通勤時間以外の実際の労働時間)を通勤時間分減らす努力が必要ですが、欧州では1時間程度分で済むのに対し、日本は2,3時間分必要でしょう。日本の現状では企業の負荷が大きすぎます。

    通勤時間短めのスタッフが多い企業ならありかもしれない

    企業にとっては通勤費用の負担≧通勤時間分の対価(通勤費用の方が多いか同じくらい)なら導入は不可能ではないかもです。不利益変更の禁止(スタッフにとって現状の待遇より悪くなる場合、事前にスタッフの同意が必要)とか長時間労働の壁(通勤時間帯も労働時間となれば時間外労働の上限規制にかかりやすくなる)とか超えなきゃならない壁はあるので法律を知らずに安易に導入するのは危険ですが。導入にご興味あればご相談くださいね。

    欧州は通勤時間も労働時間とみなす流れへ